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相続人が認知症の場合

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相続人の一人が認知症などを患い、意思の疎通ができないときはどうすればよいのでしょう。もちろん、相続人である以上、その人を除外して遺産分割協議をすることはできません。
ならば、と勝手に他の相続人たちで遺産分割協議書を作り、本人がわけもわからぬままに署名や捺印をさせたとしても、有効な手続きにはなりません。
このような場合は、成年後見制度を利用して解決することができます。

成年後見人は、判断能力を欠く本人の代わりに、財産の管理や遺産分割協議などの法律行為を行う、家庭裁判所から選任される法定代理人です。配偶者や四親等以内の親族などが家庭裁判所へ申立てをすることで、選任された成年後見人と、他の相続人の間で遺産分割協議を行い、相続の手続きをすることができるのです。

成年後見の申立て書類は、戸籍証明書類や本人の財産に関する資料、医師の診断書など、非常に多岐にわたります。本人の親族を、後見をする人の候補に挙げて申し立てをすることもできますが、候補者についての資料も用意しなくてはなりませんし、裁判所の判断により、候補者以外の方が成年後見人に選ばれることもあります。

また、無事に後見人に選任されたとしても、目的である遺産分割協議さえ終えてしまえば良いわけではありません。本人の身上に配慮しながら、財産を責任もって管理する義務を負いますし、家庭裁判所へ定期的に報告をする必要もあります。家庭裁判所の許可がなければ辞任をすることもできません。

専門家にご依頼いただくことで、申立ての書類作成から選任後の事務管理、相続手続きまでの一切をお任せいただくことができます。申立てを受けた裁判所により本人の判断能力の鑑定が行われる場合もあり、申立てから選任まで2~3ヵ月を要するのが一般的です。相続の手続きに入るまで時間がかかってしまいますので、早い段階で専門家へご相談されることをお勧めしています。

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