2024年10月

ご相談時の状況

[被相続人]父
[相続人]長男、他にも親族がいるが詳細不明
[相続財産]不明（現預金、金融資産、不動産など未把握）

ご相談内容

ご相談者の父が急逝した後、相続手続きが必要になりましたが、被相続人が独居していたため、相続財産の内容や他の相続人について把握できていない状態でした。遺産の総額や所有する資産が分からない状況で、どのように相続手続きを進めれば良いか分かりませんでした。他の相続人の有無や連絡先も不明だったため、相続手続き全般についてのサポートを求められました。

実施した内容

相続人調査

相続人が誰かを確定するために、以下の手順で調査を進めました。
・戸籍謄本の取得：被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集し、全ての法定相続人を特定しました。
これにより、長男であるご相談者以外に、遠方に住む弟が相続人であることが判明しました。それだけでなく、被相続人に再婚歴があったことが発覚し、前妻との間に子供が2人いることが判明しました。これにより、相続人はご相談者様を含め4人であることが確認されました。
・相続人の連絡先確認：確定した相続人に対して、連絡先を確認し、相続手続きを進めるための情報提供を行いました。特に、前妻との子供たちは長年疎遠になっていたため、住所確認や連絡調整に時間がかかりましたが、最終的に全員と連絡を取ることができました。

相続財産調査

被相続人の財産が明確でない場合、全ての財産を確認しなければなりません。そこで以下の手続きを行いました。
・金融機関への照会：被相続人が取引していた可能性のある金融機関に対して、被相続人名義の口座が存在するかどうかを確認しました。これにより、被相続人が持っていた現預金や投資口座などの情報を取得しました。また、証券会社への照会によって、被相続人が保有していた有価証券の存在も確認しました。
・不動産登記の確認：法務局に対し、被相続人名義の不動産があるかどうかを確認するため、登記簿謄本の取得を行いました。また、被相続人が居住していた自宅の固定資産税納税通知書も確認し、自宅の評価額を算定しました。
・その他の資産と負債調査：被相続人が加入していた保険を確認するため、生命保険照会を行い、受取額についても調査しました。また、金融機関に照会し借入金やローンなどの負債の存在も調べました。

遺産分割協議

相続人が確定した後、相続財産をどのように分割するかについて協議を行いました。
相続人全員に財産の内容を説明し、それぞれの希望をヒアリングしました。最終的には、長男が不動産を、弟が金融資産を相続する形で合意に至り、遺産分割協議書を作成しました。

相続税申告の支援

相続財産の総額が確定したため、相続税の申告が必要かどうかを判断し、必要な場合は相続税の試算を行いました。
相続税の申告期限は相続発生から10か月以内であるため、速やかに書類を整え、期限内の相続申告をサポートしました。

提案のポイント

相続財産と相続人の特定

財産や相続人が不明な場合でも、金融機関への照会や戸籍調査を通じて、速やかに財産と相続人を確定することができました。特に、戸籍謄本を通じて過去の婚姻歴や疎遠だった相続人も確認できたため、相続手続きを正確に進めることができました。
戸籍謄本の徹底調査により、予想していなかった相続人（前妻との子供たち）が見つかりました。このようなケースでは、全ての相続人の権利を保護するためにも、正確かつ迅速な相続人調査が不可欠です。戸籍の確認に時間がかかる場合もありますが、漏れなく全員を把握することが重要です。

迅速かつ公平な遺産分割協議

全相続人に財産の詳細を共有し、長い間疎遠だった相続人も含めて丁寧に説明を行い、双方が納得できる形での遺産分割協議を行いました。相続人間のトラブルを未然に防ぐため、透明性を重視し、丁寧に進めたことが功を奏しました。

相続税申告期限の管理

相続税申告の必要がある場合は、10か月以内に申告する必要があります。財産の調査から申告までの全プロセスを迅速に進めることで、期限内に手続きを完了させました。

行政書士法人青木＆パートナーズでは、金融機関への財産調査・生命保険照会など様々な手続きをワンストップでサポートいたします。お気軽にご相談下さい。

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